乱視はレーシックで治るのか――院長が度数別に「治る・残る」を分けて説明します
乱視 レーシック 治るのかは度数と角膜の形で決まります。院長が軽度から強度まで、残る場合とトーリックICLを選ぶ基準を正直に説明します。
キム・ソニョン 代表院長
角膜・緑内障・白内障
目次
「近視は治るけど、乱視は残るんですよね」
日本から来られた方によくこう聞かれます。半分は正しく、半分は誤解です。乱視 レーシックで治るかどうかは、乱視の種類と度数、そして角膜の形で決まります。同じ「乱視」という言葉でも、中身がまったく違うからです。今日はその分かれ目を、数値の話も含めて正直にお話しします。
乱視には「正乱視」と「不正乱視」があります。レーザーで矯正できるのは前者で、後者は削ると形がさらに崩れる危険があります。
まず、あなたの乱視はどちらか
正乱視は、角膜がラグビーボールのように規則正しく歪んだ状態です。縦と横でカーブが違うだけなので、その差をレーザーで削って整えられます。日本の眼鏡店で「乱視が入っています」と言われる方の大半はこちらです。
不正乱視は、角膜の表面が不規則に歪んだ状態です。規則性がないため、削って整えるという発想が通用しません。円錐角膜が背景にあることもあり、その場合レーザーで削ると形がさらに崩れます。当院では勧めません。
この区別は自覚症状ではわかりません。角膜形状解析で角膜全体のカーブを地図のように描き出して、初めて判別できます。
度数別に、見込みを分けると
| 乱視の強さ | レーザーでの見込み | 注意点 |
|---|---|---|
| 軽度(〜1.5D程度) | ほぼ矯正できる | 削る量が少なく、角膜への負担も軽い |
| 中等度(1.5〜3.0D程度) | 多くは矯正できる | 近視の度数と合わせた総量で判断する |
| 強度(3.0D以上) | 角膜の厚み次第 | 削る量が増え、足りなければ別の方法へ |
| 不正乱視 | 勧められない | 原因の確認が先。円錐角膜の除外が必要 |
数値はあくまで目安です。同じ2.0Dの乱視でも、角膜が厚い方と薄い方では結論が変わります。近視の度数が強ければ、その分も削るので合計量で足りなくなることもあります。
強度乱視で「削れない」と言われた方へ
日本で「乱視が強すぎてレーシックは無理」と言われた方が来られることがあります。その多くは、角膜の厚みが足りないという判断です。
この場合に検討するのがトーリックICLです。角膜を削らず、乱視矯正の機能を持たせたレンズを眼の中に入れます。角膜の厚みに左右されないため、レーザーの上限を超えた度数でも矯正できることがあります。
詳しくは乱視とトーリックICLと強度乱視の選択肢にまとめました。韓国本院の안내렌즈삽입술(ICL)のページでも同じ適応をご覧いただけます。
ただしICLにも条件があります。前房の深さ、内皮細胞の数、眼圧。これらが基準を満たさなければ、ICLもお勧めしません。ICLが向く方の条件に具体的な基準を書いています。
乱視で見落とされやすい「軸」の話
乱視は度数だけの話ではありません。**向き(軸)**が同じくらい重要です。
たとえば2.0Dの乱視が「90度の向き」にあるとします。この向きを10度間違えて矯正すると、度数が合っていても物がにじんで見えます。眼鏡やコンタクトで「度は合っているはずなのに見えにくい」と感じたことがある方は、軸が合っていなかった可能性があります。
トーリックICLではレンズ自体に向きがあるため、挿入時に正しい軸へ合わせます。術後にずれていないかも確認します。レーザーの場合は、削る形そのものに軸を織り込みます。
検査前にお願いしていること
乱視用コンタクトレンズを使っている方は、ソフトで最低1週間、ハードではそれ以上外していただいてからの検査になります。
レンズは角膜を押さえて形を一時的に変えます。とくに乱視用レンズは向きを固定する構造なので、その影響が残りやすいのです。外さずに測った軸で手術を設計すると、術後に「思ったほどすっきりしない」という結果になりかねません。
正直に申し上げると
乱視は「治るか治らないか」の二択ではなく、「どこまで減らせるか」の話です。強度の方ほど、わずかに残る可能性があります。私はそれを最初にお伝えします。
そして、削って矯正すべきでない乱視もあります。不正乱視がそうです。その場合に「できます」と言うほうが、はるかに無責任だと考えています。
判断に必要なのは、あなたの角膜の地図です。それを見ないまま可否をお答えすることはできません。
— キム・ソンヨン / ヒーリング眼科 院長
よくある質問
乱視はレーシックで完全に治りますか。
正乱視であれば、多くは矯正できます。ただし「完全にゼロになる」とは言えません。強度の乱視ほど手術後にわずかに残ることがあり、その残り方は角膜の形と削る量で変わります。数値でどこまで見込めるかは、角膜形状解析を見てからお伝えします。
乱視の度数が強いと手術できませんか。
レーザーでは削る量が増えるため、角膜の厚みが足りなくなることがあります。その場合はトーリックICLという、乱視矯正用のレンズを眼内に入れる方法が選択肢になります。強度乱視でレーザーを断られた方が当院でICLに進むケースは珍しくありません。
不正乱視でも手術できますか。
難しいことが多いです。不正乱視は角膜の表面が規則正しくない状態で、円錐角膜が背景にあることもあります。この場合レーザーで削ると形がさらに崩れる危険があるため、当院では勧めません。まず原因を確かめるところから始めます。
乱視の軸がずれると見え方はどうなりますか。
乱視は度数だけでなく「向き(軸)」が重要です。軸が合っていないと、度数が合っていても物がにじんで見えます。トーリックICLではレンズを正しい軸に合わせて挿入し、術後もずれていないかを確認します。
日本で乱視用コンタクトを使っています。検査前に外しますか。
はい。乱視用のソフトレンズは最低1週間、ハードレンズはそれ以上外していただきます。レンズは角膜の形を一時的に変えるため、装用したままでは乱視の本当の軸と度数が測れません。
乱視の手術は近視の手術と同時にできますか。
できます。実際には近視と乱視を併せ持つ方がほとんどで、同じ手術で両方を矯正します。どちらか一方だけを別の日に行うことはありません。
