レーシック後の夜の運転、毎晩ハンドルを握る人が先に確かめること
レーシック後の夜の運転で光のにじみが出やすいのはなぜか。瞳孔・度数・角膜・涙の4つの検査値と術式の選び方、帰国後に夜道を再開する目安をキム・ソニョン院長が説明します。
キム・ソニョン 代表院長
角膜・緑内障・白内障
医学監修キム・ソニョン 代表院長
編集: キム・ソニョン
目次
ヒーリング眼科代表院長のキム・ソニョンです。レーシック 夜の運転で最初につまずきやすいのは、自宅の近所の道ではなく、韓国から戻った日の夕方、空港の駐車場から高速道路に乗る帰り道です。
術後も夜に運転を続けている方は多い一方で、しばらくは対向車のライトや街灯がにじんで見えやすくなります。その出やすさは瞳孔の大きさ・近視の度数・角膜の厚みと形・涙の状態で変わるため、タクシーや配送、夜勤明けの通勤など、毎晩ハンドルを握る生活の方ほど、手術の前にこの4つを数字で確かめておく意味があります。

夜に運転する人の目には、何が負担になっているのか
負担の中心は、暗さそのものより「暗い中の強い光」です。対向車のヘッドライト、雨で濡れた路面の反射、トンネルの出口、青白い案内標識。昼間なら問題にならない小さな見え方のズレが、こうした場面では光の輪(ハロー)やまぶしさ(グレア)として表に出ます。
理由の一つは瞳孔です。暗い場所では瞳孔が開き、角膜のより外側を通った光まで網膜に届きます。レーザーで形を整えた範囲の境目付近を光が通ると、像がわずかににじむことがあります。日中に瞳孔が小さいときには目立たなかった差が、夜だけ顔を出すのはこのためです。
もう一つは涙です。車内はエアコンや暖房の風で目が乾きやすく、涙の膜が途切れると角膜表面で光が散ります。長距離を走ったあとほど信号の光がぼやけるという感覚は、手術とは関係なく乾きから来ている場合もあります。
手術前の検査で、夜の見え方につながる4つの数字
夜の見え方のリスクを見積もるうえで、検査票のなかで私がとくに見るのは次の4項目です。どれか一つで可否が決まるわけではなく、組み合わせで考えます。
| 検査項目 | 夜の運転との関係 | 結果によって変わること |
|---|---|---|
| 暗所での瞳孔の大きさ | 開くほど、治療範囲の外側を通る光が増える | 照射範囲の設計、術式の候補 |
| 近視・乱視の度数 | 度数が強いほど、角膜を削る量が増える | 角膜を削る方式が妥当か、ICLを比べるか |
| 角膜の厚みと形(地形図) | 削ったあとに残る厚み、円錐角膜の兆候 | 手術そのものを見送るかどうか |
| 涙液層の状態 | 乾くと光が散り、夜のにじみが強まる | 手術の前にドライアイの管理を入れるか |
当院の精密検査では、角膜の厚み・地形図・瞳孔・涙液層を測定したうえで適応を判断し、結果と手術計画は日本語の通訳とともにご説明します。数字の読み方が分からないまま決める必要はありません。
夜の運転が多い人の術式選び――カスタムLASIK・SMILE・ICL
夜の運転が多いことは検査データと並ぶ判断材料の一つで、カスタムLASIK・SMILE・ICLのうちどれを並べて比べるかに関わります。
パーソナルカスタムLASIKは、波面収差計や角膜形状解析で目全体の収差マップを測り、通常の度数検査では見落とす高次収差まで含めて照射を設計する方法です。当院では、夜間の運転が多い方や、暗い場所での光のにじみ・まぶしさに敏感な方を適した対象として挙げています。一方で、高次収差がほとんどない目であれば通常のLASIK・LASEKで対応できるため、あえてカスタム設計をおすすめしない場合もあります。
スマイルレーシック(SMILE)は2〜4mmの小さな切開で行う方式で、ドライアイの負担が比較的軽い傾向があります。車内の乾燥で夜の見え方が落ちやすい方には検討の余地がありますが、夜間の光のにじみの可能性がなくなるわけではありません。
度数が非常に強い、または角膜が薄く削れる組織が足りない場合は、角膜を削らないICL(眼内レンズ挿入術)を併せて比較するほうが安全なことがあります。米国眼科学会(AAO)の技術評価でも、有水晶体眼内レンズは強度近視の矯正手段として検討されています。ただしICLにも夜間のハロー・グレアはあり、どの方式を選んでも夜の見え方の確認は残ります。
LASIK・LASEKの照射に使うエキシマレーザーはAMARIS Redです。
術後、夜の運転はいつから再開できる?
日数で一律には決まりません。術後検診で視力と目の状態を確認し、運転に必要な見え方に届いていると判断できてからが目安です。少なくとも翌日の検診で目の状態を確認するまでは、運転しないでください。
クリアLASIKやスマイルレーシックでは、多くの場合1〜2日で日常生活に戻れます。ただ、日常生活に戻れることと、雨の夜に高速道路を走れることは別の話です。光のにじみは術後の数週間から数か月かけて落ち着いていくことが多く、その間は昼の運転から先に戻し、夜は慣れた短い道から試す順番をおすすめします。
旅程で気をつけたいのは、冒頭の帰り道です。帰国便が夕方以降に着くなら、空港から自分で運転して帰る計画は避け、家族の迎えや公共交通を手配しておいてください。滞在日数やコンタクトレンズを外す期間は目の状態で変わるため、相談時に確認します。仕事の休みの組み方はレーシックで仕事を何日休むかの記事、滞在中の過ごし方は術後の観光の目安をまとめた記事も参考になります。
ハロー・グレアのリスクと、手術を見送ったほうがよい人
夜間の光のにじみは、レーシックで起こりうる見え方の変化として術前に知っておくべきものです。米国食品医薬品局(FDA)も、レーシックが向かない可能性がある条件として瞳孔が大きいことを挙げ、暗い場所でのまぶしさやハローとの関係に触れています。多くは時間とともに軽くなりますが、残る方もいます。
ほかに考えておきたいのは次のような変化です。
- 一時的な乾燥感。夜の見え方を落とす原因にもなります
- 過矯正・低矯正。わずかな度数の残りが、夜だけぼやけとして気になることがあります
- 近視の戻り。とくに度数が強い方では、年単位で経過を見ます

次のような場合は、手術を見送るか、まず目の状態を安定させることを優先します。強いドライアイ、進行中の円錐角膜やその疑い、妊娠・授乳中、度数がまだ変動している方です。涙液層が不安定であれば、まずドライアイの管理から始めます。
当院は検査から手術・術後管理まで一人の担当主治医が受け持つ1:1の体制で、生涯にわたって手術に責任を持つ制度を設け、LASIK・LASEKの再手術センターも運営しています。これらは結果を約束するものではなく、術後に何か起きたときに同じ医師が経過を追い続けるための仕組みです。手術の前と後に守ることは韓国の本院サイトの注意事項のページにまとまっています。
帰国後の最初の数週間、夜道では何を確かめればいい?
夜の運転を再開したら、見え方を「なんとなく」ではなく、同じ条件で比べるのが役に立ちます。毎回同じ道、同じ時間帯で、対向車のライトの輪の大きさや、標識の文字が読める距離を覚えておくと、良くなっているのか横ばいなのかが分かります。
フロントガラスの内側の汚れや油膜も、術後の目には光のにじみを強めて見せます。運転前にガラスを拭き、エアコンの風が顔に直接当たらない向きにしておくと、乾きによるぼやけを減らせます。処方された点眼は、運転の前ではなく指示どおりの時間に続けてください。
光の輪が週を追って大きくなる、片目だけ急にかすむ、痛みや充血を伴う、といった変化は経過として様子を見るものではありません。近くの眼科を受診し、韓国で受けた検査と手術の記録を見せてください。
夜の運転が仕事や生活に欠かせない方は、最近の眼科の検査結果や度数の分かる紙を写真に撮り、「週に何日、何時ごろ運転するか」を一行添えてLINEで送ってください。可能な範囲で、検査で何を確かめる必要があるかの目安をご案内します。
よくある質問
レーシックのあと、夜のハロー・グレアはどれくらいで落ち着きますか?
術後の数週間から数か月かけて軽くなっていくことが多いですが、期間には個人差があり、残る方もいます。瞳孔の大きさや度数、涙の状態が影響するため、術前の検査で出やすさを見積もっておくことが役に立ちます。気になる変化は術後検診で伝えてください。
今もメガネで夜の運転がにじみます。手術をすれば良くなりますか?
今のにじみがメガネのレンズの反射やドライアイから来ている場合、手術だけでは解決しないことがあります。乾きが原因なら、先にドライアイの管理をすることで見え方が変わる場合もあります。原因は涙液層や角膜の検査で切り分けます。
手術後に、夜の運転用のメガネが必要になることはありますか?
わずかな度数の残りや近視の戻りがあると、昼は問題なくても夜だけぼやけが気になり、運転用に弱いメガネを使う方もいます。度数が強い方ほど経過を年単位で見ていく必要があります。必要かどうかは術後検診の結果で判断します。
強度近視で夜の運転が多いなら、ICLのほうが向いていますか?
一概には決まりません。角膜が薄い、または度数が非常に強い場合はICLを併せて比べるほうが安全なことがありますが、ICLにも夜間のハロー・グレアはあります。角膜の厚み・瞳孔・度数の組み合わせを見て、検査後に候補を絞ります。
夜勤明けの朝に運転する仕事でも、レーシックは受けられますか?
夜勤そのものが手術の妨げになるわけではありませんが、睡眠不足や長時間の画面作業は目の乾きを強め、見え方を落とすことがあります。術後しばらくは運転を控える期間が必要なため、勤務の調整を含めて日程を組むことをおすすめします。涙の状態は検査で確認します。