韓国 オルソケラトロジー 費用の中身──執刀医が、日本の見積もりと正直に比べる方法をお話しします
韓国 オルソケラトロジー 費用の内訳を執刀医が解説。検査・レンズ・再作製・定期検診まで正直に比較。
キム・ソニョン 代表院長
角膜・緑内障・白内障
目次
「先生、日本の眼科でいただいた見積もりと、韓国のサイトに出ている金額が倍近く違うんです。何が削られているんでしょうか」——東京から小学4年生のお子さまを連れて来られたお母様が、診察室でまずそう聞かれました。とても正しい問いだと思います。
韓国 オルソケラトロジー 費用は、レンズ本体の価格だけを並べても比べられません。オルソケラトロジー(当院ではドリームレンズと呼んでいます)は手術ではなく、精密検査・個別設計・試着と調整・定期検診・度数変化に伴う再作製までを含んだ「管理の取り決め」だからです。安く見える見積もりは、多くの場合その後半部分が別請求になっているだけで、1年後の総額まで安いとは限りません。
オルソケラトロジーの費用は「レンズの値段」ではなく「1〜2年分の管理費用」で比べてください。
韓国のオルソケラトロジー費用が安く見える、本当の理由
韓国の価格が抑えられて見えるのは、技術や検査を省いているからではなく、診療単価と人件費、自由診療の価格構造が日本と違うからです。同じ構造は視力矯正手術でも起きていて、韓国と日本のレーシック値段の差額の正体で詳しく書いたとおりです。ただしオルソケラトロジーには手術にはない固有の費用項目——再作製と定期検診——があり、ここを数えない比較は成立しません。
当院では初回に必ず精密検査を行います。角膜形状解析(トポグラフィー)で曲率と形状を、さらに度数・涙液・瞳孔径まで確認して初めて、その眼だけに合うレンズが設計できるからです。仕組みそのものはドリームレンズ(オルソケラトロジー)の解説ページにまとめています。
検査費用と、レンズ費用を一律表示しない理由
費用を動かす4つの変数
1. 乱視量と角膜形状
乱視が強い、左右差が大きい、角膜が扁平すぎる・急峻すぎるといった場合は特殊な設計が必要になり、レンズ単価が上がります。
2. 片眼か両眼か
海外サイトの表示は片眼価格のことがあります。まず「両眼込みか」を確認してください。ここを読み違えると、比較そのものが二倍ずれます。
3. 度数変化による再作製
成長期のお子さまは近視が進みます。1〜2年で度数が変われば作り直しが必要で、これは失敗ではなく想定内の費用です。近視進行そのものの考え方はお子さまの近視とオルソケラトロジーの記事に書きました。
4. ケア用品と通院回数
洗浄液・保存液は毎月の固定費です。定期検診も回数分の費用が発生します。
見積もりを正直に比べるチェック表
| 見積もりの項目 | 確認すべきこと |
|---|---|
| 精密検査(角膜形状・涙液・瞳孔) | 初回料金に含まれるか、別請求か |
| レンズ設計・試着 | 1回分か、再設計まで含むか |
| レンズ本体 | 片眼価格か両眼価格か |
| 装用開始後の調整再診 | 何か月・何回まで含まれるか |
| 度数変化による再作製 | 割引率と適用期間の条件 |
| 破損・紛失時の再作製 | 保証の有無と回数 |
| ケア用品 | 毎月いくらの継続費用になるか |
この7項目を日本と韓国の両方に同じ言葉で質問すれば、価格差の正体はほぼ見えます。クリニックそのものの見極め方は、通訳・主治医・帰国後の検診という観点から韓国の眼科クリニックの見分け方に整理しました。
外国人も韓国人と同一料金である理由
当院は外国人患者さまにも韓国人と100%同じ料金を適用しています。理由は単純で、通訳が入っても検査の工程もレンズの設計手順も一切変わらないからです。変わらないものに追加料金を付ける理屈が、私にはありません。韓国本院のドリームレンズ紹介ページは韓国語ですが、内容も料金体系も同じものです。

費用の話をする前に、お断りする場合があります
次の方には、私はオルソケラトロジーをお勧めしません。重度のドライアイやアレルギー性結膜炎の症状が強い方、円錐角膜など角膜疾患のある方、矯正量が大きすぎて日中の安定が期待しにくい強度近視・強度乱視の方、そして毎晩の洗浄と保管を続ける体制が整わないご家庭です。
夜間に装用するコンタクトレンズである以上、衛生管理を誤れば角膜びらんや角膜感染(角膜潰瘍)といった合併症が起こりえます。装用開始直後の異物感、夕方にかけて見え方がやや変動すること、光がにじんで見えることもあります。これらは「費用に含まれないリスク」であって、安い見積もりで消えるものではありません。
日本で作るほうが合理的なケース
正直に申し上げます。日本にお住まいで、年に2〜3回ソウルに来られる予定がない方は、通いやすい日本の眼科で作られたほうが安全で、結果的に総額も安く収まることがあります。オルソケラトロジーは定期検診が生命線だからです。
一方で、韓国在住の日本人の方、出張や帰省で定期的にソウルに来られる方、そして日本で処方が合わずに作り直しを繰り返しているお子さまには、角膜形状から設計を組み直す選択肢として意味があると考えています。
費用の話を最後まで正直にできない医療機関は、装用開始後の管理も正直にはできないと私は思っています。金額そのものより、その金額が何年分の何を買っているのかを、一緒に確認させてください。
— キム・ソニョン
よくある質問
韓国のオルソケラトロジー費用は、日本より本当に安いのでしょうか。
レンズ本体の単価だけを比べれば韓国のほうが抑えられていることが多いのは事実です。ただし総額は、精密検査・試着調整・定期検診・度数変化による再作製をどこまで含むかで大きく変わります。安く見える見積もりが、実は初回レンズ1組のみの価格だったという例を私は何度も見ています。金額を比べる前に「1年目の総額はいくらか」を同じ言葉で両方に質問してください。
レンズ代以外に、どんな費用がかかりますか。
まず初回の精密検査があります。当院では角膜形状解析・涙液・瞳孔径などを含めて ₩150,000(通常 ₩400,000)です。そのうえで装用開始後の定期検診、洗浄液や保存液といった毎月のケア用品、そして度数が変わったときの再作製費が継続的に発生します。この継続費用こそがオルソケラトロジーの費用の本体だと考えてください。
子どもの近視の進行は、オルソケラトロジーで必ず抑えられますか。
必ず、とは申し上げられません。夜間装用が近視の進行を遅らせる助けになることが報告されていますが、効き方には個人差があり、進行が続くお子さまもいらっしゃいます。私は装用開始後も眼軸や度数の変化を継続して確認し、効果が乏しい場合は計画そのものを見直します。「止まる前提」ではなく「経過を追いながら管理する」方法だとご理解ください。
初回は何日くらいソウルに滞在が必要ですか。
初回は検査・レンズ設計・試着・装用指導を行い、実際に一晩装用したあとの角膜の反応を翌朝に確認する必要があります。そのため最低2日、スケジュールに余裕をみるなら3日ほどをお勧めしています。ここを短縮すると設計の検証ができず、結局作り直しになって費用も時間も余計にかかります。金曜は21時まで診療していますので、平日の到着でも調整しやすいかと思います。
外国人だと料金が上乗せされますか。
当院では外国人患者さまにも韓国人と100%同じ料金を適用しています。日本語の通訳サポートが入っても、検査の内容もレンズの設計工程も変わらないからです。通訳料を別途いただくこともありません。見積書は内訳を書面でお渡ししますので、日本の眼科の見積もりと項目ごとに並べて比べていただけます。
途中でやめた場合、目はどうなりますか。費用は無駄になりませんか。
オルソケラトロジーは角膜を削らない可逆的な方法なので、装用をやめれば角膜は数日から数週間かけて徐々に元の形に戻っていきます。手術のように後戻りできない変化を残さない点が、成長期のお子さまに選ばれる理由のひとつです。ただし、すでに作製したレンズ代や検査費が戻るわけではありません。だからこそ、続けられる生活習慣かどうかを最初の診察で一緒に確認しています。
