白内障手術後、帰国してからが心配?費用・経過・方法と受診の目安
白内障手術後、帰国してから気をつける変化と、その日のうちに眼科へ行くべきサインを院長が説明。費用を決める条件や手術の方法、渡航前の準備も整理しました。
医学監修キム・ソニョン 代表院長
編集: キム・ソニョン
目次
白内障手術後、日本に帰ってから見え方がおかしいと感じたら、誰に相談すればいいのでしょうか。韓国で白内障手術を考えている方が予約の直前まで迷うのは、たいていこの点です。予約を入れる前に、少しだけ読み進めてください。帰国後の経過で起きやすい変化、その日のうちに眼科へ行くべきサイン、手術の方法と費用を決める条件がわかり、ご自身の目と予算に合う進め方を選びやすくなります。
こんにちは。ヒーリング眼科 代表院長のキム・ソニョンです。角膜・緑内障・白内障を専門とし、議政府聖母病院 角膜・白内障 臨床教授の経歴があります。ヒーリング眼科では検査から手術、術後の診察まで一人の専任主治医が担当し、相談には日本語の通訳が入ります。料金は外国人の方も韓国人と同じです。
この記事を書いたのは、手術当日と翌日のことは調べても、帰国してからの数週間をどう過ごすか決めないまま渡航してしまう方が少なくないからです。
白内障手術後の経過は、多くの場合、帰国してからも日ごとに落ち着いていきます。帰国後に気をつけたいのは、痛みが強まる、前日より見えにくくなる、赤みや目やにが増えるといった変化で、そのときはその日のうちに日本の眼科を受診してください。
日本で白内障と言われた方は、その診断書か検査結果の写真を1枚、LINEで送ってください。「帰国後に何かあったら、日本ではどこに相談すればいいか」という質問をひとこと添えるだけで構いません。
帰国してから数週間に起きやすい変化
角膜の切開は小さく、ほとんど縫わずに閉じますが、そこが落ち着くまでの数週間は、目をこする、強く押すといった刺激を避ける時期になります。
この時期に多いのは、ゴロゴロする異物感、涙、光のまぶしさ、そして朝と夕方で見え方が少し揺れることです。多くは日を追って軽くなっていきます。
帰国してから気づきやすいのが、眼鏡のずれです。手術でピントの位置が変わるため、それまで使っていた眼鏡が合わなくなるのはよくあることです。新しい眼鏡は見え方が落ち着いてから作るのが一般的で、帰国した週に作り直さなくても困らない方が多いです。
多焦点眼内レンズを入れた場合は、夜の街灯や車のライトのまわりに光の輪が見えることがあります。単焦点より慣れるまでに時間がかかることがあり、昼間の見え方がはっきりしているなら、急な異常とは分けて考えてよい場合が多いです。
洗顔や入浴、運動の再開など日々の過ごし方は、白内障手術後の回復と過ごし方をまとめた記事を読んでください。ここからは、帰国後の判断に絞ってお話しします。
白内障手術後、すぐ眼科に行くべきサインは?
様子を見てよい変化と、その日のうちに受診してほしい変化は、分けて覚えておくと迷いません。次のような変化があれば、翌日まで待たずに日本の眼科へ行ってください。
- 時間とともに強まる痛み、痛み止めを使っても引かない痛み
- 前日と比べて、はっきり見えにくくなった
- 白目の赤みが増えていく、黄色っぽい目やにが出る
- 光が走る、黒い点や糸くずのようなものが急に増える、視野の一部が欠ける
どれも頻度は高くありませんが、感染や眼圧の上昇、網膜の問題のサインのことがあり、受診までの時間が結果を左右します。韓国の眼科への連絡は受診のあとでも構いません。まず近くの眼科で目を診てもらうことを優先してください。
たとえば、両眼に多焦点レンズを入れて帰国し、5日目の夜に右眼だけ光の輪が気になったとします。翌朝、明るい部屋で新聞の見出しが前日と同じように読めて、痛みも赤みもなければ、慣れの途中である可能性が高いでしょう。同じ5日目でも、朝から右眼がかすんで重く痛むなら話は別で、その日のうちに受診してほしい状態です。分かれ目は、昼間の見え方が前日より落ちたかどうか、そして痛みと赤みがあるかどうかです。
白内障手術後に起こりうる合併症は?
知っておきたいリスクと副作用
よく見られるのは一時的な反応です。異物感、涙、まぶしさ、軽いかすみは数日から数週間で落ち着いていくことが多く、目の乾きはもう少し続く方もいます。
頻度は低いものの、目の中の感染(眼内炎)、眼圧の上昇、黄斑のむくみ、網膜剥離が起こることがあります。どんな手術でも、こうした可能性を完全になくすことはできません。
時間がたってから起こりやすいのが後発白内障です。眼内レンズを支える袋が濁り、数か月から数年たって「またかすんできた」と感じます。外来のレーザー治療で改善できることが多く、日本の眼科でも受けられる処置です。
次に当てはまる方は、手術の時期や方法を慎重に考える必要があります。黄斑変性・緑内障・角膜内皮の傷みなど別の目の病気がある方、血糖のコントロールがついていない糖尿病の方、自己免疫の病気がある方、一部の前立腺の薬を飲んでいる方です。こうした病気や薬があると、レンズを入れても期待するほどはっきり見えないことや、回復に影響が出ることがあります。
帰国後に気になる変化があれば、まず日本の眼科を受診し、そのあとで手術を受けた韓国の眼科にも経過を伝えてください。受診先の医師にとって手がかりになるのは、いつ、どちらの眼に、どの種類のレンズを入れたかという記録です。回復の速さや見え方の感じ方には個人差があります。
帰国後の受診先のことを先に整理しておきたい方は、お住まいの地域と、かかりつけの眼科があるかどうかを書いて、LINEで質問を送ってください。
帰国前に日本の受診先を決めておく
白内障手術後の通院を考えると、韓国での日程と同じくらい、日本でかかる眼科を決めておくことに意味があります。手術は韓国で終わっても、見え方が落ち着くまでの数週間と、その先の定期的な検査は、住まいの近くのほうが通いやすいからです。
渡航前にしておくとよいことがあります。まず、日本の眼科に韓国で白内障手術を受ける予定だと伝え、帰国後に診てもらえるか聞いておくこと。次に、入れたレンズの種類と度数、手術日、使う点眼の名前と回数が書かれた記録を持ち帰ること。記録を日本語か英語で受け取れるかは、予約の段階で確かめておくと帰国後に慌てません。それから、点眼が帰国後の分まで足りるか、出国前に数えておくことです。
ヒーリング眼科では検査から手術、術後の診察まで同じ主治医が担当するので、レンズを決めた医師と術後を診る医師が同じです。
親御さんの手術に付き添う場合は、記録の受け取りや点眼の管理をご家族が担う場面が増えます。親と一緒に韓国で白内障手術を受けるときの準備もあわせて読んでおくと、役割を分けやすくなります。相談の窓口や施術の一覧は、ヒーリング眼科の日本語サイトのトップページにまとまっています。
手術の方法とレンズ選びは、帰国後の見え方にどう関わる?
方法は超音波水晶体乳化術が標準です。角膜に2〜3mmほどの切開を作り、濁った水晶体を超音波で細かく砕いて吸い出し、同じ場所に眼内レンズを入れます。点眼麻酔で行い、手術時間は片眼で約15〜20分、入院はせず当日に帰れます。
帰国後の見え方を左右するのは、手術の前の計測とレンズの選び方です。私は眼の長さ、角膜のカーブ、乱視の軸を測る生体計測を手術そのもの以上に慎重に見ていて、角膜内皮細胞の数、黄斑と視神経、眼圧、涙の膜、瞳孔の反応もあわせて確認します。
単焦点レンズは一つの距離にピントが合い、夜の見え方が澄みやすい一方、近くを見るときは眼鏡を使うのが前提です。多焦点レンズは眼鏡に頼る場面を減らせますが、夜の光のにじみが出ることがあります。乱視がある方には、乱視を同時に矯正するレンズもあります。
夜の運転が多い方や、黄斑に気になる所見がある方には、検査結果によって単焦点をお勧めすることもあります。特定のレンズを勧めるために手術をするのではなく、検査の数値と毎日の暮らしを並べて、ご本人と一緒に選びたいと考えています。
手術の時期そのものをまだ迷っている方は、年齢より大切な手術時期の判断基準から読むと整理しやすいはずです。
白内障手術の費用を決める条件
費用を大きく分けるのは、まず眼内レンズの種類です。単焦点か、多焦点か、乱視を矯正するタイプかで変わります。次に片眼か両眼か、そして術前検査でわかる目の状態です。別の目の病気が見つかれば、治療の順番や内容が変わることがあります。
渡航全体で考えると、韓国に滞在する日数や、付き添う方の旅費も出費に関わります。外国人の方の料金は韓国人と同じで、観光客向けの上乗せはありません。レンズごとの違いは眼内レンズで費用が変わる理由をまとめた記事に書いています。
ご自身の場合の費用を知りたい方は、日本で受けた検査結果の写真を添えて、LINEで「この状態ならレンズ別にどう変わるか」と聞いてください。
渡航を考え始めた段階なら、行けそうな時期と、帰国後の過ごし方について気になっていることをひとつ、LINEで送ってください。ソウルにいらしたら、私が目を検査し、その結果をもとに、あなたの目と暮らしに合う方法とレンズをお勧めします。
よくある質問
帰国後、近くが思ったより見えにくいのは手術の失敗ですか?
単焦点レンズで遠くにピントを合わせた場合、近くを見るときに眼鏡が要るのは想定どおりの見え方です。多焦点レンズでも、手元が見やすくなるまでに時間がかかることがあります。前日より見えにくくなっている、痛みがあるという場合は別なので、眼科で診てもらってください。
帰国後の点眼は、日本の眼科で処方してもらえますか?
処方するかどうかは受診先の医師の判断になります。持ち帰った点眼の名前と回数の記録を見せると、続けるか変えるかを医師が判断しやすくなります。
片眼だけ先に手術して、もう片方は次の渡航にしてもいいですか?
選択肢の一つです。その間は左右の見え方に差が出て、遠近感がつかみにくいことがあるので、運転や階段には気をつけてください。どちらがよいかは、検査の結果とご自身の予定を合わせて考えます。
白内障手術後に目をこすってしまったら、どうすればいいですか?
一度こすっただけで、すぐ問題になることは多くありません。慌てず、処方された点眼を予定どおり続けてください。そのあと痛みが強まる、見えにくくなるといった変化が出たら、その日のうちに眼科を受診してください。
後発白内障になったら、また韓国まで行くことになりますか?
後発白内障のレーザー治療は、日本の眼科でも一般的に行われています。手術の記録を持参すると、受診先で状況を伝えやすくなります。
