白内障 進行すると手術はどう変わる?放っておく前に知ること
白内障 進行すると、見え方だけでなく手術の難しさも変わります。待ってよい段階、待たないほうがよい合図、手術のリスクと限界をソウル江南の眼科院長が説明します。
キム・ソニョン 代表院長
角膜・緑内障・白内障
医学監修キム・ソニョン 代表院長
編集: キム・ソニョン
目次
白内障 進行すると、水晶体の濁りが濃く硬くなり、かすみやまぶしさが強まるだけでなく、手術の難しさも上がることがあります。濁りは目薬では透明に戻らず、視界を取り戻す方法は眼内レンズに入れ替える手術です(老眼も気になる方は老眼・白内障 同時矯正)。韓国で受けるか迷う方が引っかかるのは、「進んでから飛行機で行って、帰国後に何かあったら誰に診てもらうのか」という点だと思います。
カトリック中央医療院で眼科専門医となり、いまはソウル江南のヒーリング眼科で代表院長を務めるキム・ソニョンです。
進んだ白内障ほど術前の見立てと術後の経過がつながっているので、同じ医師が通して診ることに意味があります。
日本の眼科で「白内障がある」と言われたことがあるなら、そのときの視力や眼圧の数値、紹介状の写しを手元に用意しておいてください。自分がどの段階にいるのかを確かめるとき、記憶より紙の数字のほうが頼りになります。
「進行すると失明する」は本当ですか?
知恵袋などでよく見かける心配です。白内障が非常に進んだまま長く放置されると、明るさがやっとわかる程度まで視力が落ちることはあります。ただ白内障は、光を受け取る網膜や視神経ではなく、その手前でレンズの役目をする水晶体が濁る病気です。そのため多くの場合、濁った水晶体を入れ替えれば、網膜や神経が持っている力の範囲で見え方を取り戻せる可能性があります。
一方で、掲示板ではあまり語られないこともあります。濁りが極端に進むと水晶体が膨らんで目の中の水の通り道をふさぎ、眼圧が急に上がったり、水晶体の中身が漏れて炎症を起こしたりすることが、まれにあります。こうなると目の痛みや充血、頭痛、吐き気を伴うことがあり、白内障の手術とは別に急ぎの対応が必要です。「待てば待つほど損はない」とは言い切れない理由がここにあります。
進むスピードは人によってかなり違います。数年かけてゆっくり進む方もいれば、糖尿病やステロイド薬の使用などで早く進む方もいます。自分の濁りがどれくらいの速さで変わっているかは、前回と今回の検査を比べて初めてわかります。初期に出やすいサインは白内障の初期症状をまとめた記事で詳しく書いています。
濁りが進んだ目で、手術の中身はどう変わるか
現在の白内障手術では一般に、角膜の端に小さな切り口を作り、超音波で水晶体を細かく砕いて吸い出し、そこへ眼内レンズを入れます。濁りが軽いうちは水晶体の芯がまだ柔らかく、砕くのに使うエネルギーも少なくて済みます。進んで芯が茶色く硬くなるほど、砕くための超音波の量と時間が増えていきます。
その分、負担がかかりやすいのが角膜の裏側にある内皮細胞です。内皮細胞は角膜の透明さを保つポンプの役目をしていて、一度減ると増えません。硬い水晶体の手術では、術後しばらく角膜がむくみ、見えにくい期間が長引くことがあります。
もう一つは、水晶体を支える細い線維(チン小帯)です。年齢や目の状態によってこの線維が弱っていると、手術中に水晶体が安定しにくく、手順を変える必要が出てくることがあります。さらに濁りが濃いと、手術前の検査で網膜の中心(黄斑)や視神経の様子を見通しにくくなり、術後に初めて別の病気が見つかることもあります。
待っていてもいいのはどんな段階ですか?
白内障は多くの場合、何日以内に手術しなければならないという病気ではありません。濁りが軽く生活に大きな不便がないなら、定期的に検査を受けながら時期を一緒に決めていけば足ります。手術を勧められたからといって、その場で日程を決める必要はないのです。
それでも、「白内障 進行すると」と検索する方の多くは、すでに不便を感じ始めています。次のような変化が出てきたら、「待つ」から「時期を決める」へ考えを切り替えるころです。
| 気づく変化 | 考え方 |
|---|---|
| 眼鏡を替えても見え方が戻らない | 度数より濁りが原因になっている可能性があります |
| 夜、対向車のライトがにじんで運転が怖い | 運転を続けるかどうかを先に考える時期です |
| 本やスマホの文字が読みにくく、仕事に響く | 生活の不便を理由に時期を決めてよい段階です |
| 片目で見たときだけ強くかすむ | 左右差が大きいと距離感がつかみにくくなります |
| 眼科で「奥が見えにくい」と言われた | 網膜の病気を見落とさないためにも相談の目安です |
進みすぎると手術の難度が上がることがあるので、不便を我慢し続けることにも代償があります。時期を決める手がかりは、生活のどこで困っているかと、検査の数値の両方です。
手術を受けても残るリスクと限界
知っておきたいリスクと副作用
白内障手術は長く行われてきた手術ですが、どの手術にも起こりうる問題があります。米国眼科学会(AAO)の患者向け解説でも、問題はまれだとしたうえで、感染、出血、炎症、眼圧の変化、網膜剥離などが挙げられています。術後数日のかすみ、異物感、涙はよく見られる反応で、時間とともに落ち着くことが多いです。
数か月から数年たって、レンズを包む膜が濁る後発白内障が起きることがあります。白内障の再発とは別のもので、レーザー処置で視界を戻せます。また多焦点レンズでは、夜間に光の輪やにじみ(ハロー・グレア)を感じる方がいて、夜の運転が多い方には負担になることがあります。
結果の限界もあります。黄斑変性や緑内障、角膜内皮の傷みといった別の病気がある目では、レンズを入れても期待したほどくっきりしないことがあります。コントロールされていない糖尿病や自己免疫の病気、一部の前立腺の薬の服用も手術や回復に影響しうるので、飲んでいる薬はすべて伝えてください。回復の速さや仕上がりの見え方は目によって違い、受けられるかどうかとレンズの選択は対面での検査で決まります。
帰国してから何かあったら、誰に相談すればいいですか?
手術の翌日に経過確認があり、多くの方はそのあと日常生活に戻れます。何日滞在するかは目の状態と片眼・両眼の予定で変わるので、相談のときに確認してください。
クリニックは新論峴駅から徒歩1分、金曜は21時まで診療しています(所在地と診療時間はヒーリング眼科の日本語サイトに掲載)。
それとは別に、日本でも頼れる眼科を決めておいてください。米国疾病予防管理センター(CDC)も、医療目的で海外へ行く人に、帰国後の診療をどこで受けるかを出発前に決めておくよう勧めています。急に見えにくくなった、痛みや充血が強くなった、黒い影や光が走るのが増えたというときは、日本の眼科をすぐ受診してください。術後の記録を持ち帰れるかどうかは、予約の段階で尋ねておくと帰国後の受診で役立ちます。
ご両親の手術に付き添う方は、親と一緒に韓国で白内障手術を受けるときの準備も参考にしてください。術後の過ごし方は白内障手術後の回復についての記事にまとめています。
進んだ白内障でレンズを選ぶときの考え方
眼内レンズには、ピントが一か所に合う単焦点と、遠くと近くの両方に光を分ける多焦点などがあります。多焦点は眼鏡に頼る場面を減らしたい方に合う一方、光を分ける分だけ、網膜や神経に弱いところがある目では見え方の質が落ちる心配が増えます。白内障 進行すると眼底の様子がつかみにくくなるので、多焦点を選ぶかどうかの判断にも慎重さが要ります。検査結果によっては、私は単焦点をお勧めすることもあります。
老眼もまとめて考えたい方は、老眼と白内障を同時に治す仕組みの記事で適応を説明しています。韓国語を読めるご家族がいるなら、韓国の本院サイトにあるプレミアム眼内レンズの解説を一緒に見てもらうと、レンズの話を家族で共有しやすくなります。
日本の眼科でもらった検査結果か診断書を写真に撮り、「いまの段階で待ってよいのか、時期を決めたほうがいいのか」という疑問を一つ添えて、LINEで送ってみてください。送る前に、前回と今回の視力の数字を並べてメモしておくと、進み方についても一緒に聞けます。
よくある質問
白内障は目薬で進行を止められますか?
濁った水晶体を透明に戻す目薬はありません。生活に不便がない段階なら、定期検査で変化を追いながら時期を考えていく形でも構いません。
片目だけ進んでいる場合、両目とも手術することになりますか?
濁りの進み方は左右で違うことが多く、片目だけ手術する場合もあります。ただ片目だけ手術すると左右の度数の差が大きくなり、見え方のバランスが崩れることがあります。その場合はもう片方の時期も一緒に考えるので、両目の検査結果を並べて決めます。
進んだ白内障だと手術時間は長くなりますか?
白内障手術そのものは片目約15〜20分が目安です。水晶体が硬くなっている場合や支える線維が弱っている場合は、手順が増えて時間が延びることがあります。時間よりも、術後に角膜のむくみが引くまでの期間が長引く可能性を、日程に織り込んでおいてください。
糖尿病がありますが、手術は待ったほうがいいですか?
糖尿病があると白内障が早く進むことがある一方、血糖のコントロールが不十分なまま手術すると、炎症や網膜の変化が出やすくなります。かかりつけ医と血糖の状態を整えたうえで、網膜の検査を含めて時期を決めるのが順番です。服用中の薬とHbA1cの数値は、相談の際に伝えてください。
手術のあと、白内障がまた出てくることはありますか?
ただ、レンズを包む膜が後から濁る後発白内障が起きることがあり、そのときはレーザー処置で視界を戻せます。手術後に見えにくくなってきたと感じたら、この膜の濁りを疑って眼科で見てもらってください。
