白内障手術失敗はやり直せる?費用・経過・方法と見極め方
白内障手術失敗と感じる状態の多くは度数のずれや後発白内障で、対処の道があります。急ぐべきサイン、費用の決まり方、手術方法を江南の眼科院長が説明。診断書の写真はLINEへ。
医学監修キム・ソニョン 代表院長
編集: キム・ソニョン
目次
親の白内障手術を韓国で、と考えたとき、いちばん怖いのは白内障手術失敗で見え方が悪くなり、日本に戻ってから相談先がなくなることではないでしょうか。航空券を取る前に、ここだけ読んでみてください。「失敗」と呼ばれる状態の中身、やり直せるものとやり直しにくいもの、費用の決まり方と手術方法、術後の経過で急ぐべきサインが分かり、レンズ選びや受ける時期を決めやすくなります。
こんにちは。ソウル江南のヒーリング眼科で代表院長をしているキム・ソニョンです。専門は角膜・緑内障・白内障で、議政府聖母病院では角膜・白内障の臨床教授を務めました。当院の白内障手術は、検査から手術、術後の診察まで一人の専任主治医が担当し、日本語の通訳が常駐しています。料金は外国人も韓国の方と同じです。
これを書いたのは、手術直後のかすみや数か月後に出る後発白内障まで「失敗」とひとくくりにされ、本当に急ぐべき変化が見過ごされることがあるからです。
白内障手術のあとで「失敗した」と感じる状態の多くは、度数のずれ、後発白内障、術後の炎症や乾き、多焦点レンズの見え方への戸惑いで、時間やレーザー、眼鏡などで対処できることが少なくありません。一方、感染や網膜剥離のように数は少なくても急いで治療が必要なものもあり、両者を見分けられるかどうかで帰国後の動き方が変わります。
日本の眼科で白内障と言われたときの診断書や検査結果があれば、その写真を1枚と、いちばん気になっていることをひとつ、LINEで送ってください。「多焦点か単焦点かで迷っている」くらいの一文で十分です。
「白内障手術失敗」と言われる状態の中身
ひと口に失敗といっても、原因も対処も、急ぐ度合いもまったく違います。術後に「おかしい」と感じたときに考えられる主なものを、一般的な目安で並べます。
| 状態 | 出やすい時期 | 一般的な対処 |
|---|---|---|
| 度数のずれ | 見え方が落ち着く術後数週以降 | 眼鏡、場合によりレンズ交換や追加の矯正 |
| 後発白内障 | 数か月〜数年後 | 外来でのレーザー治療 |
| 多焦点レンズのにじみ | 術後すぐ〜数か月 | 慣れを待ち、合わなければ相談 |
| 乾き・異物感・充血 | 術後数日〜数週 | 点眼で経過をみる |
| 黄斑のむくみ | 術後数週 | 点眼などの治療 |
| 感染・網膜剥離・レンズのずれ | 数日後〜いつでも | 急いで受診し治療 |
後発白内障は、眼内レンズを支える袋(水晶体嚢)が濁ってくるもので、入れたレンズそのものが濁るわけではありません。米国国立眼研究所(NEI)も、術後しばらくして視界が再びかすむことがあり、レーザーで治療できると説明しています。手術がうまくいかなかったという意味ではありません。
もうひとつ見落とされやすいのが、黄斑変性や緑内障など白内障とは別の病気です。これがあると、眼内レンズを入れても期待したほどくっきりしないことがあります。原因がレンズにないため、入れ替えても解決しません。
やり直しが利くのは、どんな場合?
度数のずれは、まず眼鏡で補えるかを考えます。生活への支障が大きければ、一般にはレンズの入れ替え、レンズを追加で重ねる方法、角膜側での矯正などが検討されます。
眼内レンズは時間がたつと袋の中で固定されていくため、入れ替えるなら早い時期のほうが手技の負担が小さいと考えられています。レンズの位置がずれた場合も、位置を整え直したり交換したりする手術が検討されます。どちらも追加の手術なので、最初の手術と同じく感染などのリスクを伴います。
反対にやり直しで取り戻しにくいのは、感染による強い炎症の後に残った影響や、黄斑・視神経の病気による見えにくさです。白内障手術失敗と再手術の話は、結局のところ手術前の準備の話に戻ってきます。
手術方法と、手術前に確かめること
現在の白内障手術は、角膜に2〜3mmほどの小さな切開を作り、超音波で濁った水晶体を砕いて吸い出し、そこに眼内レンズを入れる超音波水晶体乳化術が標準です。点眼麻酔で行い、片眼の手術時間は約15〜20分、入院せずその日のうちに帰れます。
手術の前には、白内障の程度だけでなく、角膜内皮細胞の数、黄斑と視神経、眼圧、涙の膜、瞳孔の反応、両眼の生体計測を確認します。レンズを入れたあと実際にどのくらい見えるようになりそうかを、手術前に一緒に見積もるためです。
レンズ選びも、失敗と感じるかどうかを左右します。単焦点レンズは夜の見え方が澄みやすく、夜の運転が多い方に向きます。多焦点レンズは眼鏡に頼る場面を減らせる一方、夜に光のにじみを感じる方がいます。検査結果が合わなければ、私は単焦点をお勧めします。必要以上の手術やレンズは勧めない、というのが私の考えです。
たとえば、70代のお母さまが今も夕方に車を運転していて、日本の眼科で軽い黄斑の変化を指摘されている、という場合を考えてみます。私なら多焦点より単焦点を軸に考え、手元は老眼鏡で補う形を提案すると思います。黄斑に変化がある目では多焦点の見え方の質が落ちやすく、夜のにじみも運転の負担になりうるからです。
受ける時期は年齢だけでは決まりません。見え方の不便と検査の数値で考える理由は、白内障手術を受ける年齢の判断基準にまとめています。韓国語を読めるご家族がいれば、本院のプレミアム眼内レンズの韓国語ページを一緒に見てもらうと、レンズの種類について話し合いやすくなります。
術後の経過で、待ってよい変化と急ぐべき変化は?
多くの方は翌日の診察のあと日常生活に戻り、視力は数日から数週間かけて落ち着いていきます。多焦点レンズでは、慣れるまでにもう少し時間がかかることがあります。
術後1日目に少しかすんでいても、それだけで失敗とは言えません。日ごとの過ごし方は白内障手術後の回復の経過で詳しく書いています。
知っておきたいリスクと副作用
よくあるのは、異物感、涙、充血、まぶしさ、ぼやけです。多くは数日から数週間で軽くなりますが、回復の速さは人によって違います。頻度は高くないものの、感染(眼内炎)、網膜剥離、黄斑のむくみ、眼圧の上昇、レンズの位置ずれが起こることもあり、米国眼科学会(AAO)も感染や網膜剥離などを白内障手術のリスクとして挙げています。
手術を急がず、先に整えたほうがよい方もいます。血糖のコントロールが不十分な糖尿病、自己免疫疾患、目に炎症がある状態、一部の前立腺の薬を飲んでいる方などです。黄斑や緑内障の病気がある方は、どこまで見え方が戻りそうかを手術前に確かめておく必要があります。手術が向いているかどうかは、最終的には対面の検査で判断します。
帰国後に、急に見えにくくなった、痛みが日ごとに強くなる、充血がひどくなる、光が走る・黒い影やカーテンのようなものが見える、といった変化があれば、連絡の返事を待たずにその日のうちに日本の眼科を受診してください。そのために、手術記録、入れたレンズの名前と度数、処方された点眼の成分が分かるものを忘れずに持ち帰ってください。
費用は何で決まる?
白内障手術の費用は、主に次のことで変わります。どの眼内レンズを選ぶか(単焦点、多焦点、乱視矯正つき)、片眼か両眼か、術前検査で分かる目の状態、そして韓国に何日滞在するかです。帰国後に日本の眼科で経過をみてもらう分も、旅の予算に入れておくと慌てません。
当院では外国人の方も韓国の方と同じ料金です。レンズで費用が変わる理由は韓国での白内障手術費用の考え方で説明しています。ご自身の場合の費用は、検討しているレンズの種類と、片眼か両眼かを書き添えて、LINEで聞いてみてください。
韓国で受けるなら、帰国後の段取りを先に決める
海外で手術を受けるときに見ておきたいのは、手術の日より、日本に戻ったあとの一週間です。航空券を取る前に、日本でかかっている眼科に「韓国で手術を受けたら、帰国後に診てもらえるか」を聞いておくと、何か起きたときの行き先がはっきりします。米国疾病予防管理センター(CDC)も、海外で医療を受ける前に帰国後のフォローを手配しておくよう勧めています。
当院は新論峴駅から徒歩1分で、提携ホテルとして瑞草区のオクラウドホテルがあります。検査から手術、術後の診察まで同じ主治医が担当し、日本語の通訳が常駐しているので、検査の数値もレンズを選ぶ理由も日本語で確かめられます。通訳や料金の案内はヒーリング眼科の日本語ページにまとめています。
ご両親に付き添って渡韓する方は、親と一緒に韓国で白内障手術を受けるときの準備も読んでおくと、当日の動き方が見えてきます。
服用中の薬の一覧と渡航できそうな時期を送り、「この薬で手術に影響はあるか」とひとつ聞いてみてください。来院されたら、通訳と一緒に検査の結果を見ながら、その目に合うレンズと時期をご提案します。
よくある質問
後発白内障のレーザー治療は痛いですか?
一般的には点眼麻酔で行う外来の治療で、時間も短く、強い痛みを感じることは多くありません。治療後しばらく小さな影が浮いて見えることがあります。後発白内障は眼内レンズが濁ったものではなく、レンズを支える袋の濁りです。
一度の渡韓で両眼とも手術できますか?
遠方から来られる方が、一度の来院で両眼を手術して帰られることは多くあります。片眼ずつの間隔をどう取るかは目の状態と日程で変わるため、相談の段階で確かめてください。
多焦点レンズが合わなかったら、単焦点に替えられますか?
一般的には、レンズの交換が技術的に可能な場合はありますが、追加の手術としてのリスクがあり、時間がたつほど難しくなると考えられています。慣れで軽くなるにじみもあるため、まず時間を置いて変化を確かめるのが通常です。迷いが大きい方ほど、手術前のレンズ選びに時間をかける意味があります。
眼内レンズは何年かたつと交換が必要になりますか?
一度入れた眼内レンズが再び濁ることはなく、基本的にそのまま使い続けます。年月がたってかすんできた場合は後発白内障であることが多く、レンズの交換ではなくレーザーで対処します。
外国人だと料金が高くなりませんか?
外国人の方も韓国の方と同じ料金で、観光客向けの上乗せはありません。総額は選ぶ眼内レンズや片眼・両眼、検査結果で変わり、正確な金額は精密検査のあとの1:1カウンセリングで確定します。
