レーシック後のドライアイ — なぜ起こり、いつ治まるのか、執刀医の本音
レーシック後のドライアイについて、執刀医として「なぜ角膜の神経が関係するのか」「どのくらいの期間で落ち着くのか」「防ぐために何をしているか」を正直にお伝えします。
キム・ソニョン 代表院長
角膜・緑内障・白内障
目次
「手術自体より、その後のドライアイが怖くて踏み切れません」
レーシックを検討されている方から、これは本当によく聞く本音です。視力が回復することへの期待はある。でも、ネットで「術後ずっと目が乾く」という体験談を読んで、不安になってしまう。その気持ち、よく分かります。だからこそ、ごまかさずにお話しします。
レーシック後のドライアイは、確かに起こり得ます。 ただ、なぜ起こるのか、どのくらいで治まるのか、そして私たちが何をして防いでいるのかを知れば、漠然とした恐怖はかなり小さくなるはずです。
なぜレーシックの後に目が乾くのか
理由を理解するには、角膜の「神経」の話を少しだけさせてください。
角膜の表面には、細かい知覚神経が網の目のように走っています。この神経は、目の乾きを感じ取って「涙を出して」と脳に伝える、いわばセンサーの役割をしています。レーシックでは角膜にフラップを作ったり表面を削ったりするため、この神経が一時的に切れて、感度が鈍くなります。
センサーが鈍くなると、目が乾いていても「乾いた」という信号がうまく届かず、涙の分泌が追いつかない。これが術後ドライアイの正体です。
術後のドライアイは「涙腺が壊れた」のではなく、「乾きを感じる神経が一時的に休んでいる」状態。だから多くは回復します。
ここで大事なのは、多くの場合これは一時的だということです。切れた神経は時間をかけて再生し、感度も戻っていきます。
いつになったら楽になるのか — 正直な時間軸
一番知りたいのはここだと思います。正直にお伝えします。
最も乾きを感じやすいのは、術後の最初の1〜2か月です。この時期は点眼が手放せない方も多いです。そこから少しずつ和らぎ、3〜6か月かけて多くの方が「気にならなくなった」とおっしゃるようになります。
ただ、これはあくまで多くの方の傾向です。元々の涙の量、選んだ術式、角膜の状態によって、回復のペースは前後します。「ぴったり何か月で治る」と断言できないのが、医師としての正直なところです。
術式の選び方で、乾きやすさは変わる
ドライアイのリスクは、どの術式を選ぶかでかなり変わります。
角膜を切る範囲が大きいほど、影響を受ける神経も多くなります。この観点では、SMILEは切開創が小さく神経への影響が比較的少ないため、ドライアイが気になる方には有利なことが多いです。一方で、SMILEが万人に最適というわけではありません。度数や角膜の厚みによっては、別の術式のほうが安全で良い結果になることもあります。

だから私は、検査の段階で涙の量(シルマー検査など)と涙の質、角膜の状態を測り、「あなたの目なら、乾きを抑えるためにこの術式が向いています」と一人ひとりに合わせて提案しています。
元々ドライアイがある方へ
「私、もともと目が乾くタイプなんです」という方こそ、自己判断で諦めないでください。
軽度のドライアイであれば、手術の前にまず点眼や涙点プラグなどで状態を整え、そのうえで神経への影響が少ない術式を選ぶことで、問題なく受けられる方もいます。逆に、検査で重いドライアイが見つかった場合は、私は正直に「今は手術に向きません。まずドライアイの治療を優先しましょう」とお伝えします。
ここだけは正直に — 全員が同じではない
最後に、誠実にお伝えしておきたいことがあります。ほとんどの方のドライアイは時間とともに回復しますが、ごく一部に、乾きが長引く方がいるのも事実です。これは元々の体質や角膜の個性によるもので、手術前の検査である程度予測はできても、ゼロにはできません。
だからこそ、私たちは術前の検査を丁寧に行い、リスクが高いと判断すれば術式を変えたり、時には手術自体をお止めしたりします。そして万一術後に乾きが長引いても、生涯にわたって責任を持って診ていく——その体制があることを知っておいていただきたいのです。
帰国後に乾きが気になったときも、公式LINEから日本語でご相談いただけます。日本語通訳が間に入り、点眼の調整や受診のタイミングを一緒に考えます。不安なまま我慢せず、いつでも声をかけてください。
— キム・ソニョン ヒーリング眼科 代表院長
よくある質問
レーシックを受けると必ずドライアイになりますか?
必ずではありませんが、手術の後しばらく目が乾きやすくなる方は多くいらっしゃいます。角膜を切る際に、涙の分泌を調整している神経が一時的に影響を受けるためです。多くは時間とともに回復します。元々ドライアイが強い方は、術前検査でその点を確認し、術式を選び直すこともあります。
術後のドライアイはいつまで続きますか?
個人差が大きいですが、多くの方は3〜6か月かけて少しずつ楽になっていきます。最初の1〜2か月が最も乾きを感じやすい時期です。点眼で十分にケアをすれば日常生活に支障が出ないことがほとんどですが、回復のペースは角膜の状態や術式によって変わります。
SMILEのほうがドライアイになりにくいと聞きましたが本当ですか?
傾向としてはその通りです。SMILEは角膜を切る範囲が小さく、神経への影響が比較的少ないため、ドライアイが出にくいとされています。ただし誰にとってもSMILEが最善というわけではなく、度数や角膜の厚みによって向き不向きがあります。検査で総合的に判断します。
元々ドライアイがあるのですが、レーシックは諦めるべきですか?
諦める前に検査を受けてください。軽度であれば、事前にドライアイを治療してから、神経への影響が少ない術式を選ぶことで受けられる方もいます。一方で重いドライアイの方には、正直に「今は向きません」とお伝えすることもあります。これは検査をして初めて判断できます。
日本語で術後のケアについて相談できますか?
できます。日本語通訳が常駐していますので、帰国後に乾きが気になったときも、公式LINEで日本語でご相談いただけます。点眼の使い方や受診のタイミングなど、遠隔でもできる限りサポートします。
