韓国 多焦点眼内レンズ 値段の内訳|日本の見積もりとの正しい比べ方を院長が解説
韓国 多焦点眼内レンズ 値段の内訳を院長が解説。レンズ別料金、日本との比較、見積もりの見分け方。
キム・ソニョン 代表院長
角膜・緑内障・白内障
目次
「先生、日本でいただいた見積もりと韓国の金額、桁が違って見えるんです。安すぎて、逆に不安で」——大阪からお越しになった57歳の方が、二枚の見積書を並べてそうおっしゃいました。値段が安いと不安になる。その感覚は、私は正しいと思います。
韓国 多焦点眼内レンズ 値段は、当院の公開料金で片眼₩2,500,000から₩7,000,000まで幅があり、その差のほとんどは「どのレンズを眼に入れるか」で決まります。執刀料が高いレンズと安いレンズがあるわけではありません。ですから比べるべきは総額の数字そのものではなく、その金額が「どのレンズ・どこまでの検査・どこまでの術後管理」を指しているかです。ここを揃えずに日本と韓国の数字を並べても、比較になりません。
多焦点眼内レンズの費用差は手術手技ではなく、レンズの種類と術前検査の精度に対する対価です。
見積もりの「中身」——検査・手術・術後管理はどこまで入るのか
当院の精密検査は₩150,000(通常₩400,000)で、眼軸長と角膜曲率の生体計測、角膜地形図、涙液層、瞳孔径、そして黄斑・視神経の状態確認まで含みます。多焦点レンズの満足度は手術当日より、この計測の正確さでほぼ決まります。涙液が不安定なまま測ると数値そのものが揺れ、度数のずれにつながるからです。
手術費用には執刀、レンズ本体、当日の処置、翌日の検診、その後の定期検診が含まれます。当院は1:1専任主治医制で、検査から術後管理まで同じ医師が責任を持ちます。公開している金額はすべて施術別の料金ページに掲載しています。
逆に、見積もりに入らないものも申し上げます。渡航費と滞在費、帰国後に日本で処方される点眼薬、そして術後に読書用の弱いメガネが必要になった場合の眼鏡代です。多焦点レンズは老眼鏡への依存を「減らす」選択であって、メガネがゼロになるとお約束できるものではありません。
同じ「多焦点」でも中身は別物——レンズ別の値段(片眼)
| 眼内レンズ | 片眼の費用 | 性格 |
|---|---|---|
| 単焦点眼内レンズ | ₩1,250,000 | 一つの距離に絞る。老眼鏡は残る |
| アイハンス / アイハンス-T | ₩2,500,000 | 遠方中心、中間をやや延ばす設計 |
| リサトリ / リサトリ-T | ₩3,000,000 | 3焦点タイプ |
| ファインビジョン | ₩4,000,000 | 3焦点タイプ |
| ファインビジョン-T | ₩4,500,000 | 乱視矯正付き |
| インテンシティ | ₩4,000,000 | 焦点の分配を細かく設計 |
| レンティス | ₩6,000,000 | 分節型の設計 |
| シナジー | ₩7,000,000 | 連続焦点+近方を強めた設計 |
末尾の「-T」は乱視矯正(トーリック)タイプです。乱視が強い方はここで費用が上がりますが、乱視を残したまま多焦点を入れると像がにじみ、高いレンズの価値を自分で削ってしまいます。設計ごとの違いは多焦点眼内レンズの種類を比較した記事で詳しく書きました。韓国本院のプレミアム人工水晶体の解説ページにも各レンズの位置づけをまとめています。
日本の選定療養と韓国の自費診療——比較の軸がそもそも違う
日本では白内障手術そのものに公的保険が使え、多焦点レンズを選んだ場合はレンズの差額分を自己負担する仕組みです。つまり日本の見積書に載る数字は「差額」であることが多く、韓国の総額表示とは意味が違います。
ですから正直に申し上げます。単焦点レンズで十分と判断される方、公的保険と高額療養費が使える方は、日本で受けたほうが自己負担が小さくなるのが普通です。韓国を検討する価値が出るのは、選定療養の対象外のレンズを希望される場合や、検査から術後まで同じ医師に一度で診てほしい場合です。白内障全体の費用構造は韓国の白内障手術費用の考え方にも書いています。
比べるなら「総額」対「総額」で
外国人も韓国人と同一料金にしている理由
当院は外国人患者さまも韓国人と100%同じ料金です。通訳(日本語・中国語繁体・英語)の同席にも追加費用はいただきません。理由は単純で、国籍で価格が動く医療機関は、レンズの選択も動きうると私が考えているからです。「今日決めれば割引」という提案が出てきたら、それはレンズ選択の理由が医学ではなく営業側にある合図だと思ってください。

見積もりを正直に比べる4つの質問
1. レンズの製品名が書かれているか
「プレミアム多焦点」とだけ書かれた見積もりは比較材料になりません。製品名と、トーリックかどうかを必ず確認してください。
2. 精密検査と術後検診は総額に含まれるか
検査が別請求、術後検診が回数制限つき、という構成は珍しくありません。
3. 執刀医と術後を診る医師は同じか
多焦点レンズは術後の見え方の調整と説明が長く続きます。担当が入れ替わると、その説明が続きません。
4. 期待どおりでなかったときの話があるか
ハロ・グレア、コントラストの低下、度数のずれ、ドライアイの悪化——これらの可能性を最初に説明しない見積もりは、金額が安くても私は勧めません。
値段より先に決めるべきこと——多焦点が向かない眼もあります
黄斑や視神経に病変がある方、緑内障が進行している方、角膜の形状が不規則な方は、多焦点レンズにしても像の質が上がりにくく、費用に見合いません。重度のドライアイがある場合は、まず涙液を整えてから計測をやり直します。夜間運転が多い方は、単焦点のほうが快適なことがあります。当院では網膜や緑内障の手術は行っておらず、そうした所見が見つかった場合は適切な医療機関をご案内します。手術の考え方そのものは老眼・白内障同時矯正の詳細ページにまとめています。
検査の結果、多焦点に向かないと判断したときは、私からはっきりそう申し上げます。
滞在日数という「見えない費用」
手術費だけを比べると見落とすのが、滞在日数です。精密検査・相談・手術・翌日検診をどう組むか、両眼を同日にするか数日空けるかで、必要な宿泊数が変わります。実際の組み方は韓国での眼科手術に必要な滞在日数の記事に日程別で書きました。ここまで足し算して、はじめて日本の見積もりと同じ土俵に乗ります。
値段の話を最後まで正直にできない医療機関は、見え方の話も正直にできません。私は数字も、向かない理由も、同じ日にお伝えします。——ヒーリング眼科 代表院長 キム・ソニョン
よくある質問
韓国の多焦点眼内レンズの値段は、なぜレンズごとにこんなに差があるのですか?
差のほとんどはレンズ本体の設計と価格から来ています。当院の公開料金では片眼₩2,500,000のアイハンスから₩7,000,000のシナジーまで幅がありますが、執刀そのものの手間が5倍違うわけではありません。焦点の数、乱視矯正機能(トーリック)の有無、光のにじみを抑える設計の作り込みで価格帯が分かれます。高いレンズが常に良いのではなく、瞳孔径や角膜の状態、夜間の運転量によって合うレンズが変わります。
日本の選定療養と比べて、韓国のほうが本当に安いのでしょうか?
条件によって答えは変わりますので、一律に安いとは申し上げられません。日本では白内障手術本体に公的保険が使え、多焦点レンズの差額分が自費になる仕組みですので、見積書に載る数字は「差額だけ」であることが多いのです。一方、韓国での自費診療は検査から手術まで全部を含んだ総額表示です。特に単焦点レンズで十分な方は、日本で保険診療を受けたほうが自己負担が小さいのが普通で、私はそこを隠しません。
外国人料金は上乗せされませんか?
当院は外国人患者さまも韓国人の患者さまと100%同じ料金です。通訳(日本語・中国語繁体・英語)の同席にも別料金はいただいていません。これは親切心ではなく、価格が国籍で動く医療機関は診療判断も動きうる、と私が考えているからです。ご不安があれば、初回相談の時点で総額の内訳を書面でお渡しします。
見積もりを比較するとき、何を必ず確認すべきですか?
第一にレンズの製品名が具体的に書かれているかです。「プレミアム多焦点」とだけ書かれた見積もりは、比較の材料になりません。第二に精密検査費と術後検診が総額に含まれるのか別請求なのか、第三に執刀医と術後を診る医師が同じ人かどうかです。最後に、期待どおりに見えなかった場合にどう対応するかの説明があるかを確認してください。
多焦点レンズに向かないのはどんな方ですか?
黄斑や視神経に病変がある方、緑内障が進行している方、角膜の形状が不規則な方は、多焦点にしても像のコントラストが上がりにくく、費用に見合いません。夜間の長距離運転が仕事の方も、ハロやグレアの影響を考えて単焦点を選ばれるほうが快適なことがあります。重度のドライアイがある場合は、まず涙液を整えてから計測をやり直します。検査の結果、向かないと判断したときは私からはっきりお伝えし、単焦点や手術を急がない選択もご提案します。
手術後、老眼鏡は完全に不要になりますか?
「不要になります」とはお約束できません。多焦点・EDOFレンズは老眼鏡への依存を減らすことを目的とした選択であり、細かい文字や暗い場所での読書に弱い度数のメガネを使う方はいらっしゃいます。また術後しばらくは脳が新しい見え方に慣れる適応期間があり、その間に夜間の光のにじみやコントラストの低下を感じることもあります。この点を最初に共有できない見積もりは、金額が安くても私は勧めません。
